こんにちは、TBです。
今回は
コンタクト用と裸眼用の目薬の違いについて
です。
薬局やドラッグストアなどで
目薬の売り場を見ていると、
同じ名前の目薬で
裸眼用と、コンタクト用の商品、
良くありますよね。
コンタクトをしているので
裸眼の時もコンタクト用の方を
使用していたりしませんか?
そりゃそうだろ!
裸眼用とコンタクト用で
名前が同じその目薬、
実は効果・効能は
全然違うのかもしれません。
今回は「そういうお話」です。
※便宜上、
裸眼用、コンタクト用と分けていますが、
「裸眼用」としている方は
ハードコンタクトレンズでも
使うことができます。
(ソフトコンタクトは使えません)
「コンタクト用」としている方は
ソフトコンタクトをした状態でも
使える、というだけで、
裸眼でも使うことができます。
当然ですが、
裸眼の時に使うなら裸眼用の方が良い
結論から先に書くと、
裸眼用の目薬と
コンタクト用の目薬では
同じ名前を冠する商品でも
成分が大きく違う
=使用目的が違います。
そして、大半が
裸眼用の目薬の方が
多くの効果・効能がある、
あるいは
同じ有効成分が配合されていても
配合量は裸眼用の方が多い
=効果も大きい、
といった感じになっています。
裸眼用が
ソフトコンタクトレンズ使用時に使えない理由
裸眼用=普通の目薬が
ソフトコンタクトレンズ着用時に
使えない理由として、主に
- 防腐剤が含まれているものが多いこと
- 血管収縮剤(けっかんしゅうしゅくざい)が
使われているものが多いこと
などが挙げられます。
防腐剤は、
レンズが変形したり、
白く変色したりすることもあり、
カラーコンタクトレンズの場合
レンズの色やデザインにも
影響してきます。
また、防腐剤の中でも
多くの目薬に使われている
塩化ベンザルコニウムは
レンズに吸着・蓄積しやすく、
角膜を傷つけ、
角膜障害を引き起こす可能性もあります。
症状によっては
目薬をすると痛みが生じることもあるため、
とても危険です。
目薬に配合されるベンザルコニウムについては
こちら↓にも書いています。
血管収縮作用のある成分は
充血の症状を改善させるために
配合される成分ですが、
カラーコンタクトレンズ装着時に
使用すると、
角膜の血管が収縮され、
目に酸素がいきわたりにくくなります。
これによって
目が乾燥しやすくなり、
ドライアイなどの症状を
引き起こす可能性があります。
ソフトコンタクトレンズ
使用時に
普通の目薬、絶対ダメ!
裸眼用の目薬とコンタクト用の目薬一覧
今回検証した目薬の一覧がこちらです。
裸眼用 | コンタクト用 |
---|---|
ロートアルガード | ロートアルガードコンタクト |
ロートドライエイド | ロートドライエイドコンタクト |
ロートアイストレッチ | ロートアイストレッチコンタクト |
ロートドライアイ | ロートドライアイコンタクト |
ロートジー | ロートジーコンタクト |
ライオンスマイルホワイティエ | ライオンスマイルホワイティエコンタクト |
サンテPC | サンテPCコンタクト |
めっちゃ、
種類ある!
※ロートアルガードには、
挿し心地がマイルドな商品が
もう1種類ありますが、
挿し心地以外はアルガードと同じなので
今回は割愛させていただきます。
ロートアルガードと
ロートアルガードコンタクト
ロートアルガードと
ロートアルガードコンタクトの
成分、効果・効能を
比較してみました。
表の中の
太字が
有効成分、
緑色の太字が
どちらかの固有要素、
オレンジ字が
配合量の違い、だね!
- グリチルリチン酸は
抗炎症成分です。 - 塩酸テトラヒドロゾリンは
目の充血を抑える成分です。 - コンドロイチンは
目にうるおいを与える成分です。 - ビタミンB6は
(ピリドキシン塩酸塩)
目の組織代謝を
活発にする成分です。
つまり、
グリチルリチン酸と
塩酸テトラヒドロゾリンが
入っていない、
代替成分もない、
コンタクト用の方は
目の炎症や、充血には効果がない、
ビタミンB6の量も少ないので
目の組織代謝
=ダメージケア効果も、
裸眼版の10分の1、
ということになります。
症状としては、
結膜充血や眼瞼炎の
改善を目的とした場合、
コンタクト用の方は
そちらの効果・効能はないので
注意が必要です。
あれ?
コンタクトの方、
いらないのでは?
ただ、裸眼版の方にはない、
コンドロイチン
=うるおい成分が入っているので、
目の乾燥が気になっていて、
ソフトコンタクトレンズを付けたまま
点眼したい方は、
こちらの方がオススメです。
ロートドライエイドと
ロートドライエイドコンタクト
ロートドライエイドと
ロートドライエイドコンタクトを
比較してみます。
…あまり変わらない?
塩化ナトリウム(ミネラル)の配合量は
裸眼の方がやや多いですが、
それ以外は
有効成分、効果効能、清涼感に
大きな違いはありません。
コンタクトを使用していて
目の渇きが気になる方は
ソフトコンタクトレンズを
したままでも使用できる、
コンタクト用の方が
オススメです。
(裸眼でも使用できます)
ロートアイストレッチと
ロートアイストレッチコンタクト
ロートアイストレッチと
ロートアイストレッチコンタクトの
比較です。
ずいぶん違うね!
成分の差異で見ていくと、
- L-アスパラギン酸カリウムは、
細胞呼吸を促進し、
目の疲れを改善します。 - クロルフェニラミン
マレイン酸塩は、
ヒスタミンの働きを抑え、
目の炎症・目のかゆみを
抑えます。 - アラントインは、
組織修復成分
=かゆみ、充血などの
炎症症状を鎮めます。 - ピリドキシン塩酸塩は、
(ビタミンB6)
目の組織代謝を
活発にする成分です。 - 塩酸テトラヒドロゾリンは、
目の充血を抑える成分です。
これらの成分のうち、
- クロルフェニラミン
マレイン酸塩
=目の炎症・目のかゆみを抑える - ピリドキシン塩酸塩
=目の組織代謝を活発にする成分
上記以外は
コンタクト用の方には
入っておらず、
また、上記の成分も
コンタクト用の方が配合量が
少なくなっています。
それはつまり、
裸眼用には
- 目の疲れを改善
- かゆみ、充血などの炎症症状を鎮める
- 目の充血を抑える
などの効果・効能があり、
コンタクト用にはそれがない、
目の炎症・かゆみを抑える効果も
目の組織代謝を活発にする効果も
コンタクト用の方が薄い、
ということです。
数少ない、コンタクト用の方が
優れている点が
- ソフトコンタクトレンズを
した状態でも使うことができる - 角膜を保護し、
目にうるおいを与える
……ということです。
- コンドロイチンは、
角膜の表面を保護し、
目の疲れを改善します。
※疲れを改善する成分は
裸眼用の方のにも入っています。
また、
涙の蒸発防止作用により、
目にうるおいを与えます。
ソフトコンタクトレンズを
したままで、
目の渇きが気になる方は
コンタクト用を、
それ以外の症状の方には
裸眼用の方をおすすめします。
ロートドライアイと
ロートドライアイコンタクト
ロートドライアイと
ロートドライアイコンタクトを
比べてみます。
どっちも、
目の「うるおい」に
焦点を置いた目薬だね!
裸眼用
=ロートドライアイの方は
- 塩化カリウム・塩化ナトリウムは
人間の涙に近い組成の
「人工涙液」の成分です。 - 塩化カルシウム水和物・
硫酸マグネシウム水和物は
涙に含まれるミネラル成分です。
これらの要素で
コンタクト用よりも
有効成分が優れています。
塩化カルシウム水和物・
硫酸マグネシウム水和物は
コンタクト用の方には
入っていません。
ですが、この商品の場合、
- ヒプロメロースは
薬液に粘性を持たせる成分です。
人工涙液の効果を高めます。 - ブドウ糖は
栄養成分です。
目の新陳代謝を促し、
うるおいを与えます。
疲れた瞳に効果をあらわします。 - 炭酸水素ナトリウムは
涙に含まれるミネラル成分です。
これらの成分が
コンタクト用の方が優れています。
ブドウ糖と、炭酸水素ナトリウムは
裸眼用の方には入っていません。
一長一短といった感じなので、
ソフトコンタクトレンズを
使っていない人が
あえてコンタクト用を
選ぶ理由はないですが、
ソフトコンタクトレンズを
使用している人が、
裸眼時に「ロートドライアイ」に
切り替えるメリットもない感じです。
効果・効能も
ほぼほぼ、一緒!
ロートジーと
ロートジーコンタクト
ロートジーと
ロートジーコンタクトを
比較します。
※ロートジーには、
更に上級の
「ジープロ」という商品もあるのですが、
「ジー」のプロ版のような商品なので
今回の比較からは除外しています。
共通点、
ほぼゼロ!
裸眼用=「ロートジー」の方には、
- 塩酸テトラヒドロゾリンは
目の充血を抑える成分です。 - ネオスチグミンメチル硫酸塩は
ピント調節機能改善作用により、
目の疲れなどを改善します。 - 硫酸亜鉛水和物は
収れん・消炎作用がある成分です。 - クロルフェニラミンマレイン酸塩は
ヒスタミンの働きを抑え、
目の炎症・目のかゆみを
抑えます。 - ビタミンB6は
目の組織代謝を
活発にする成分です。 - L-アスパラギン酸カリウムは
細胞呼吸を促進し、
目の疲れを改善します。
上記のような、
コンタクト用にはない、
いわゆる一般的な目薬に
多く配合されているような成分が
配合されています。
それに対して
コンタクト用の方には
- 塩化カリウム・塩化ナトリウムは
人間の涙に近い組成の
「人工涙液」の成分です。 - ヒプロメロースは
薬液に粘性を持たせる成分です。
裸眼用にはない、
これらの成分が配合されています。
目の渇きや、うるおいが気になる方は
コンタクト用、
それ以外の症状が気になる方は
裸眼用を使用することをオススメします。
ライオン スマイルホワイティエと
スマイルホワイティエコンタクト
スマイルホワイティエと
スマイルホワイティエコンタクトの
比較です。
似ているようで、
そうでもない?
裸眼用=スマイルホワイティエの方は
- 塩酸テトラヒドロゾリンは、
目の充血を抑える成分です。 - グリチルリチン酸二カリウムは、
目の炎症を鎮めます。 - パンテノールは、
新陳代謝を促す作用がある
ビタミンです。 - L-アスパラギン酸カリウムは、
目に酸素を取り込む
アミノ酸類です。
細胞呼吸を促進し、
目の疲れを改善します。
上記の成分、効果・効能で
コンタクト用の商品より優れています。
目の充血を抑える成分は
裸眼用の方のみの配合になっていて、
炎症を抑える成分も配合量が多いです。
コンタクト用の方の特性としては、
- コンドロイチン硫酸
エステルナトリウムは、
目にうるおいを与える成分です。
角膜を保護します。 - ピリドキシン塩酸塩は、
(ビタミンB6)
新陳代謝を促す作用のある
ビタミンです。
目の組織代謝を
活発にします。
このような感じになっています。
パンテノールとピリドキシンは
配合目的、効果・効能は同じなので、
特性の違い、
コンタクト用の方のメリットとしては
目のうるおい、ということになります。
添加物として、
裸眼用の方にはベンザルコニウムが
配合されていることが
少し気になります。
サンテPCとサンテPCコンタクト
最後に
サンテPCと、
サンテPCコンタクトの
比較です。
※サンテPCについては、
前回の記事↓でも書いています。
……全然違うぞ?
裸眼用=サンテPCの方は
- ビタミンB12は
(シアノコバラミン)
毛様体筋の働きを活発にし、
目の疲れを改善します。 - コンドロイチン硫酸
エステルナトリウムは
目にうるおいを与える成分です。 - タウリンは
目の組織代謝を活発にします。 - グリチルリチン酸二カリウムは
抗炎症成分です。
目の炎症を抑えます。 - クロルフェニラミン
マレイン酸塩は
ヒスタミンの働きを抑え、
目の炎症・目のかゆみを
抑えます。 - 塩酸テトラヒドロゾリンは
目の充血を抑える成分です。
上記の成分、効果・効能で
コンタクト用の商品より優れています。
コンタクト用の方には
- ネオスチグミンメチル硫酸塩は
ピント調節機能改善作用により、
目の疲れなどを改善します。 - フラビンアデニンジ
ヌクレオチドナトリウムは
(活性型ビタミンB2)
角膜などの組織代謝を促進し、
修復を促します。 - イプシロン−アミノカプロン酸は
炎症の原因となる物質の
産生を抑えます。
このようなメリットがあります。
PCやスマホなどの長時間使用による
デジタル疲れ、
ブルーライトによる目の疲労を
ケアするために使用する目薬ですが、
成分的には
やはり裸眼用の方が、
より良い内容になっています。
めずらしく
コンタクト用の方に
「うるおい」成分が入っていない!
「コンタクト用」としての特性としては
長時間のコンタクトで傷ついた
角膜の修復促進を目的とした
フラビンアデニンジ
ヌクレオチドナトリウムが
配合されています。
ブルーライトのダメージだけではなく、
コンタクト使用でのダメージも
ケアする目薬です。
裸眼用と
コンタクト用の目薬は、同じ薬ではない
コンタクトレンズをしていると、
目の渇きが気になることが多いですよね?
めっちゃ気になる!
なので、
コンタクト用の目薬は
そこに焦点を当てたものが多いです。
目の「うるおい」に
特化してる?
…というと、少し言い過ぎ?ですが。
コンタクトレンズを
使用している人の多くが
一番気になる症状は
目の渇き、ということなのでしょう。
コンタクト用の目薬は、主に
- 目の乾燥や乾燥によるゴロゴロ感を軽減
- 充血の予防
- 涙液を補充する
…というような感じで、
症状を改善させる、というより、
涙を増やす手助け、
目の乾燥をうるおす目的で
使われています。
今回は
薬局、ドラッグストアで良く見かける、
メジャーな目薬8種類を
比較して見ていきましたが、
どの目薬も、
裸眼用とコンタクト用とでは
効果・効能が違います。
同じ薬ではないです。
ソフトコンタクトレンズの
使用時には、
もちろんそれに対応した
コンタクト用の方を
使用する必要がありますが、
裸眼時に使用する場合、
かつ、目の渇き以外の症状が
気になる場合は、
裸眼用の目薬を使用することを
オススメします。
コンタクト対応でない点眼薬を
使用する場合、
点眼後、どのくらい時間を空けてから、
コンタクトレンズを装着してもいいですか?コンタクト対応でない点眼薬を
よくあるご質問
使用する場合は、
点眼後5分程度おいてから
コンタクトを装着してください。
使い分けしていこう!
症状に合った目薬で、
正しく瞳をケアしていきたいですね。
お薬は、用法・用量を守って
正しくご使用ください。
コメント