こんにちは、TBです。
以前の記事では
睡眠改善薬・催眠鎮静薬と、
睡眠サプリについて紹介しました。


今回は不眠に用いる漢方薬です。
不眠に用いる漢方薬は?
不眠に用いる漢方薬は、
代表的なもので3つあります。
- 柴胡加竜骨牡蛎湯
さいこかりゅうこつぼれいとう - 抑肝散
よくかんさん - 酸棗仁湯
さんそうにんとう
この3つが不眠に関係する効果のある漢方薬です。
柴胡加竜骨牡蛎湯
さいこかりゅうこつぼれいとう
柴胡加竜骨牡蛎湯は、
気持ちを安定させる作用があり、
精神不安でイライラするような方の
不眠に効果がある漢方薬です。
イライラして寝つきが悪く、
よく夢を見て熟睡できない方、
見かけによらず気が小さくて
鬱々(うつうつ)する方、
主に体力中等度以上の人にオススメです。

精神不安があって
動悸、不眠、便秘の症状を伴う方の
- 高血圧による動悸・不安・不眠
- 神経症
- 更年期神経症
- 小児夜泣き
- 便秘
などに用いられます。
柴胡加竜骨牡蛎湯に含まれる成分
柴胡加竜骨牡蛎湯は、
小柴胡湯(しょうさいことう)に
気持ちを安定化させる作用がある生薬
(ブクリョウ、リュウコツ、ボレイ)を
加えたものです。
(だから 柴胡 加 竜骨・牡蛎 湯 なんですね)
抑肝散
よくかんさん
抑肝散は、精神を安定させる作用があり、
神経がたかぶる、怒りやすい、
イライラに効果のある漢方薬です。
神経過敏で興奮しやすく、怒りやすい、
イライラする、眠れない方、
主に体力中等度の人にオススメです。
神経がたかぶり、怒りやすい、
イライラがある人の
- 神経症
- 不眠症
- 小児夜泣き
- 小児の神経過敏
- 歯ぎしり
- 更年期障害
- 血の道症
などに用いられます。
元々は幼児の夜泣きや
疳(かん)の虫に使われていましたが、
現代ではイライラ、不安、緊張などの神経症状や、
認知症の周辺症状にも応用されています。
アロパノール、スリーピンα、オーカンなどが
比較的メジャーですね。
抑肝散に含まれる成分
抑肝散は、
精神を安定させる
サイコ、チョウトウコウ、ブクリョウ、
血液補強のトウキ、センキュウ、
消化器官周りの水分流通を調整する
ソウジュツ、ブクリョウ、
消化器を保護するカンゾウ、
……で構成されています。
酸棗仁湯
さんそうにんとう
酸棗仁湯は、
血液を補い血行を良くする作用、
精神を安定させる作用があり、
心身が疲労して、精神不安があるような方の
不眠に効果がある漢方薬です。
心身ともに疲れすぎて眠れない、
夢見がちで眠りが浅く熟眠できない方、
主に体力中等度以下の人にオススメです。
心身が疲れ、精神不安、不眠などの状態にある人の
- 不眠症
- 神経症
などに用いられます。
身も心も疲れ果てて眠れないなどの症状に。
酸棗仁湯に含まれる成分
酸棗仁湯は
血液を補い精神を安定させる
サンソウニンを中心に、
血行促進のセンキュウ、
精神を安定させるブクリョウ、
身体の芯にこもった熱を下げるチモ、
消化器を保護するカンゾウで構成されています。
不眠の場合の漢方薬の使い方、睡眠薬との違い
漢方薬は睡眠薬と違って、
直接的な睡眠を誘発することはありません。
神経が高ぶって眠れない場合は
気持ちを落ち着かせる処方、
疲れているのに眠れない場合は
虚弱さを補う処方など、
不眠が起こる原因を解消し、
バランスを整えることによって、
より自然な形で睡眠に導きます。
多忙で疲れすぎて就寝時に眠れない時
多忙で眠れないことの原因としては、
心身が疲れすぎていることで
軽い興奮状態になっていることが挙げられます。
睡眠には自律神経のバランスが関係し、
興奮状態の交感神経から
心身をリラックスさせる副交感神経への
切り替えがスムーズに行われることが必要です。
この切り替えが上手くいかない時、
脳や体が興奮したままの状態が続き、
疲れていても眠れなくなる、と考えられます。
漢方薬には、このような過度の興奮や緊張、
不安を落ち着かせる作用の生薬が多くあり、
副交感神経が優位な状態に切り替え
(リラックスさせて)、
自然な眠りに導くことが期待できます。
今回不眠で紹介した漢方薬のほか、
ストレスで紹介している漢方薬も
気分を落ち着かせ、
自然な眠りに導くことが期待できます。

体力やその他の状態を考慮し、
自分に合った漢方薬を選択しましょう。
用法用量に注意して、正しくご利用ください。
お薬を飲む前に
お薬を飲む以前のセルフケアとして、
就寝前にぬるめのお湯にゆっくりつかる入浴法は、
副交感神経を優位な状態に導く
=リラックスする効果が期待できます。
また、就寝直前にパソコンやスマートフォンを
いじらないことも大切です。
パソコンやスマートフォンの画面は、
日中の太陽光に近いブルーライトを発し、
画面を見ることで脳や体に「今は活動の時間だ」
という勘違いを引き起こします。
また、画面に集中すると、
脳が興奮してしまうことも考えられるので、
就寝直前にはパソコンやスマートフォンなどを
いじることを止め、
寝る時は部屋を暗くして「今は休む時間だ」と
脳や体にわからせることも重要です。
健康的な睡眠のために、
まずは生活習慣から改善してみましょう。
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