こんにちは、TBです。
今回は、蕁麻疹(じんましん)です。
寒いところに行くと皮膚がかゆくなったり、
蕁麻疹が出ることがありますね。
その他、蕁麻疹にはいろいろな種類があります。
蕁麻疹についてのイロイロを説明していきます。
蕁麻疹(じんましん)って何?
何らかの刺激が起きて、ヒスタミンの作用によって
皮膚の毛細血管が拡張してしまう。
その拡張した血管から血液内の水分がもれ出して、
地図のようにふくらむ。
これが蕁麻疹(じんましん)です。
突然、蚊に刺されたような
赤い膨らみの症状があらわれます。
蕁麻疹(じんましん)の見分け方
蕁麻疹は、皮膚を持ってつまむと白くなります。
つまんで白くなったら蕁麻疹である、
と言えます。
また、ヒスタミンが分泌され、
かゆみを引き起こすので、
かゆみのない発疹の場合は、
蕁麻疹ではない可能性が高いです。
蕁麻疹は、発疹出現後、
数時間~24時間以内に消えてしまいます。
蕁麻疹の種類
ひとくくりで蕁麻疹と言っても、
多くの種類があります。
その種類は大きく分けると、
- 特発性の蕁麻疹
- 特定の刺激、負荷によってあらわれる蕁麻疹
- 特殊な蕁麻疹、蕁麻疹類似疾患
この3種類になります。
特発性の蕁麻疹
特発性の蕁麻疹は、明らかな原因がなく、
毎日のように
繰り返し症状があらわれる蕁麻疹です。
大きく分けると2種類、
- 急性蕁麻疹
発症して1か月以内のもの。
細菌・ウイルス感染などが原因のものが多い - 慢性蕁麻疹
発症してから1か月以上経過したもの。
原因を特定できないことが多い。
があります。
特定の刺激、負荷によってあらわれる蕁麻疹
こちらは種類が多いです。
- 外来抗原による、アレルギー性の蕁麻疹
食物や、薬剤、植物などに含まれる
アレルゲンに生体がさらされて
起こります。 - 食物依存性運動誘発
アナフィラキシーにおける蕁麻疹
特定の食物を摂取して
2、3時間以内に運動をすると、
蕁麻疹、気分不良、呼吸困難などの
症状を起こします。 - 外来物質による非アレルギー性の蕁麻疹
特定の食物、薬剤、植物によって起こるが、
IgE
(体内で作られる抗体のひとつ。タンパク質。)が
関与しないもの - 不耐性による蕁麻疹
消炎鎮痛薬、食品添加物、サリチル酸を
多く含む食品などにより起こる。
アレルギーではない。 - 物理性蕁麻疹
機械的擦過(機械的蕁麻疹)、
冷水、冷風などで体が冷えること
(寒冷蕁麻疹)、
日光に当たること(日光蕁麻疹)、
などの物理的刺激によってあらわれます。 - コリン性蕁麻疹
入浴や運動、精神的緊張などの
発汗刺激によって起きます。
一つ一つの皮膚のふくらみが
1~4mmで小さい。
地図のように膨らまない。 - 接触蕁麻疹
皮膚に何らかの物質が接触すると、
その部位に一致して生じます。
コリン性蕁麻疹について
コリン性蕁麻疹は、
特徴・注意事項が多い症状です。
- 運動や入浴、精神的緊張、
辛い物を食べた時など、
汗をかくときに発疹が出るもの - 米粒ほどの、小さな赤い発疹が
毛穴や汗管に一致して出る。 - 数時間~長くて1日以内に消える
比較的若い人に多く、かゆみよりは、
むしろピリピリした痛みが出ることがある。 - 発症のメカニズムは不明で、諸説ある
- アセチルコリンは血管拡張に作用するので、
コリン性蕁麻疹の人の場合、
蕁麻疹がひどくなると
血管が開き、
虚血性脳貧血を起こし失神する場合もある。
特殊な蕁麻疹、蕁麻疹類似疾患
ここまで説明した以外にも、
まだ何種類か特殊なものもあります。
- 血管性浮腫唇やまぶたが突然腫れあがり、
2、3日かけて元に戻る症状。
多くの場合、かゆみはなく、
まれに遺伝でなることもある。 - 蕁麻疹様血管炎蕁麻疹に似ているが、
個々の皮膚症状が24時間以上継続し、
消えた後に茶色い痕が残る。
病気の初期症状の場合もある。 - 振動性蕁麻疹(振動血管性浮腫)
局所的な振動、
負荷により蕁麻疹または血管性浮腫が生じる。 - 色素性蕁麻疹褐色のまだらもようの皮膚症状が
常に存在する。
色がついているところをこすると、
そこに蕁麻疹ができる。
蕁麻疹の対処方法
蕁麻疹の治療は、抗ヒスタミン薬で行いますが、
まずは体調を整えることが重要です。
規則正しい生活、
身体のリズム、
生活のリズムを整える
=自律神経の働きを整えることが大切です。
症状を抑える薬、西洋薬と漢方薬
蕁麻疹には上記説明のような
アレルゲンとの接触によるものと、
よらないものがありますが、
いずれもヒスタミンが関与しています。
そのため、蕁麻疹に用いる西洋薬は、
とにかく症状を抑えたい、
服用することにより、かゆみなどの
蕁麻疹症状が抑えられる作用が期待できるもの
=抗ヒスタミン成分を主体とする
アレルギー用薬がおすすめです。
一方、漢方薬では症状を抑えるだけではなく、
体質を改善することによって
蕁麻疹が出なくなるようにしたい場合に
効果的である、と考えられています。
漢方薬の場合、抗ヒスタミン薬の副作用である、
眠気や口の渇きなどを起こさないことも特徴です。

蕁麻疹・皮膚炎などに用いる漢方薬
代表的な漢方薬は次の3つです。
- 消風散(しょうふうさん)
- 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
- 当帰飲子(とうきいんし)
消風散(しょうふうさん)
体力中等度以上の人向けの、
熱感やかゆみが強く、分泌物があり
じゅくじゅくした湿疹症状、
慢性皮膚疾患に効果のある漢方薬です。
体内や皮膚表面の余分な熱を下げ、
水分バランスを整え、
かゆみを止める作用があります。
効能・効果のある症状としては、
湿疹、皮膚炎、じんましん、水虫、
あせもが挙げられます。
- 皮膚表面の熱を下げる
荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、牛蒡子(ゴボウシ) - 皮膚表面の熱を下げる
荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ)、牛蒡子(ゴボウシ) - かゆみを止める
蝉退(センタイ) - 水分の停滞を解消する
蒼朮(ソウジュツ)など - 体内に入り込んだ熱を下げる
苦参(クジン)など - 皮膚の潤いを確保する
地黄(ジオウ)など - 消火器を保護する
甘草(カンゾウ)など
…などの生薬で構成されています。
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
体力中等度の人向けの、
小さなブツブツが広範囲にたくさんでき、
化膿しやすい、
かゆみのある湿疹に効果のある漢方薬です。
血行を改善し、皮膚の緊張をほぐし、
かゆみを止め、排膿作用がある、
皮膚疾患の初期向けのお薬です。
効能、効果のある症状としては、
化膿性皮膚疾患、急性皮膚疾患の初期、
じんましん、湿疹、皮膚炎、水虫が挙げられます。
- 水分停滞の解消・止痛作用
独活(ドクカツ) - 血行の改善
川芎(センキュウ) - 皮膚の緊張をほぐす
柴胡(サイコ) - 皮膚のかゆみ、痛みを止める
荊芥(ケイガイ)、防風(ボウフウ) - 消化器を保護し、消化機能を高める
茯苓(プクリョウ)
…などの生薬で構成されています。
タウロミンについて
蕁麻疹関連のお薬には、
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)とヨクイニン末、
それに西洋薬成分数種類を掛け合わせた、
タウロミンというものもあります。
効能、効果としては、
湿疹、皮膚炎、蕁麻疹、皮膚のかゆみ、鼻炎、
となっており、
十味敗毒湯の主な働きは説明した通りですが、
ヨクイニン末が配合されていることで、更に
肌に栄養を与え、角層の新陳代謝を促し、
いぼ取りや肌を滑らかにします。
当帰飲子
体力中等度以下の人向けの、
身体のうるおいを保持し、皮膚のかゆみを止め、
赤みを取り、丈夫にする作用があり、
色つやが悪い状態の改善、皮膚が乾燥したかゆみ、
冷え性で、かゆみの激しい慢性皮膚疾患に
効果がある漢方薬です。
- 血液を補強する
四物湯(シモツトウ) - 皮膚のかゆみを止める
防風(ボウフウ)、蒺蔾子(シツリシ) - 皮膚の赤みを取る
荊芥(ケイガイ) - 皮膚を丈夫にする
黄耆(オウギ) - からだのうるおいを保持する
何首烏(カシュウ) - 消化器を保護する
甘草(カンゾウ)
…などの生薬で構成されています。
使用上の注意
今回紹介した漢方薬のうちの
いくつかにも含まれていますが、
漢方薬には
甘草(カンゾウ)を含むものが多いです。
甘草は、西洋薬でいうところの
グリチルリチン酸にあたります。
この成分が配合されているお薬は、
配合量・服用量(一日最大1g以上)によっては
偽アルドステロン症や、
ミオパチー(筋肉の弛緩、筋力の低下等)
などの副作用が生じることがあります。


お薬は、用法・用量を守って
正しくご利用ください。
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