今日は化膿性皮膚疾患、化膿の話です。
お客さんから別の症状の話を聞いていて、

じゃあそのお薬で。
化膿してるんですけど
大丈夫ですかね?
みたいな話になることが結構よくあります。
というか、昨日ありました。
化膿性皮膚疾患って何?
俗に化膿しているといわれるこの症状は、
患部が膿んでいる皮膚疾患の症状の総称です。
本来は皮膚の防御機能、
皮脂膜が細菌の繁殖を防いでいるのですが、
皮膚が欠損すると表面から
汚れに含まれた細菌が入り込んでしまうことが
あります。
その無防備な状態で入り込んだ細菌が増殖して
炎症が悪化した状態がこの症状です。
大きく分けて2パターンあります。
毛包炎(もうほうえん)・めんちょう
毛穴で毛根を包んでいる部分に起こる炎症 です。
(毛のう炎ともいう)
めんちょうは一般に
「おでき」と言われている症状のことです。
原因
毛穴周辺にできた傷などから
細菌が感染することによって起こります。
皮膚の常在菌である真菌、俗に肌カビともいう
マラセチア菌が原因の場合もあります。
(マラセチア毛嚢炎)


症状
毛穴のある部分に赤みのあるものや、
周りが赤く膿を持った発疹が出ます。
痛みがある場合も。
身体のどの部分にでもできます。
悪化して固く、しこりのようになったものはせつ、
顔の中心にできたおのはめんちょう(おでき)
と、呼ばれています。
対処法
抗生物質など、抗菌成分が配合されている皮膚薬、
- テラマイシン軟膏
- ドルマイシン軟膏
- オノフェF
などがおすすめです。
炎症もある場合は、抗生物質+ステロイド成分を
配合した皮膚薬の方が良いので、
- ドルマイコーチ軟膏
- テラ・コートリル軟膏
- テトラ・コーチゾン軟膏
などが良いでしょう。
炎症があり、強めの症状の場合は、
フルコートf、ベトネベートN軟膏AS等。
普段から皮膚を清潔に保つことが
予防に繋がります。
伝染性膿痂疹
一般にとびひと呼ばれている症状。
接触などで移るので、
火事の飛び火のようである、という喩えで
そう呼ばれているようです。
原因
ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などの細菌が原因で、
虫刺され、あせも、湿疹などをひっかいたり、
転んでできた傷、乾燥肌など
皮膚の防御機能が低下した状態にある部位に
菌が感染することで発症します。
伝染するので
保育園・幼稚園等での集団発症が多いです。
症状
水膨れができる水疱性膿痂疹、
かさぶたができる痂皮性膿痂疹の2つがあり、
前者は主に夏季、赤ちゃんや子どもに多く見られ、
最初に赤み、かぶれを伴う水膨れができ、
それが破れてただれ(びらん)が起こります。
その破れた中身を触った手で他の部位を触ると
そこからあちこちに広がります。
後者は赤みができ、小さな膿疱ができ、
それが破れて厚いかさぶたになります。
発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みなどの
症状が出ることもあります。
対処方法
処置方法は毛包炎、めんちょうと大体同じです。
基本的に抗生物質など、
抗菌成分が配合されている皮膚薬を使い、
炎症もある場合は、
抗生物質とステロイド成分を配合した
皮膚薬を使います。
症状が強い場合は、
強めのステロイドが配合された
抗生物質+ステロイドの皮膚薬です。
範囲が広い場合、症状が重い場合は
医療機関での受診をお勧めします。
患部を清潔に保ち、掻かないようにするとともに、
タオル、衣類などを
家族や友達と共用しないようにしましょう。
(洗濯は大丈夫です)


剤形の違い
患部がジュクジュクして沁みる場合
→刺激が少なく保護作用がある軟膏
(基剤がワセリン=油で表面保護)がお勧めです。
化膿はしているが、膿疱が破れていない場合
→伸びが良く、患部に浸透しやすいクリームタイプ
(水分=浸透しやすい)がお勧めです。
今回紹介した商品一覧
記事中で紹介した商品の一覧です。



お薬は、用法・用量を守って
正しくご使用ください。
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