今日はむくみのお話です。
むくみをとりたいのだけれど……
カリウムが良い、
という話を聞いたんですが……。
こういった相談をされました。
むくみは重大な疾患の信号である場合もあるので、
医療機関での受診が必要な場合もあります。
そもそもむくみって何?
血液中の水分が染み出して
皮膚と皮下組織内に溜まる症状がむくみです。
一時的なものもありますが、
疾患が原因で起きている場合もあるので
注意が必要です。
むくみの原因
いくつか原因が考えられるので、
見ていきましょう。
立ち仕事や、長時間同じ姿勢でいた場合
血液を送り出す心臓から遠い位置にある足は、
重力の影響などもあり、
血液から水分が染み出しやすく、
血管内の水分も戻りにくくなります。
立ち仕事や、飛行機や電車での長時間の移動、
車を同じ姿勢で長時間運転する、
そのまま待つなど、
同じ姿勢でいる時間が長いと足の血流が滞るため、
むくみが生じやすくなります。
女性特有の症状
一般的に女性は男性と比べると、
筋肉量が少ないため、
足の静脈から血液を心臓に戻す作用も弱い
=血行が悪くなりやすいので、
むくみが起きやすい傾向にあります。
また、ホルモンバランスが変化するケースも
多いため、自律神経の乱れから
血行が悪くなり、むくみが出やすいです。
水分・塩分・アルコール・ストレス
水分や塩分を多く摂りすぎると、
血管内に水分が多くなるので
その分水分が染み出しやすくなり、
むくみやすくなります。
水分は少なすぎても血行が悪くなり、
それがむくみの原因になることもあります。
アルコールの摂取もまた、
水分が染み出しやすくなる原因のひとつです。
ストレスで自律神経が乱れると、
血行が悪くなるので、
これもむくみの原因になります。
薬の副作用
ステロイド剤を服用していると、
顔にむくみが出ることがあります。
ノンステロイド薬であっても
鎮痛剤の服用による副作用で、
顔にむくみの症状が出ることもあります。
カルシウム拮抗薬や、
副作用が少ないとされる漢方のカンゾウ
(西洋薬で言うグリチルリチン酸)でも、
服用が多いとむくみの症状の原因になります。
疾患による症状
心臓の疾患・肝臓の疾患・更年期障害などが原因で
症状が出る場合があります。
この他、妊娠高血圧症候群、リンパ浮腫、
甲状腺機能低下症、急性糸球体腎炎、
ネフローゼ症候群、心不全などの
疾患が原因で起きている場合もあります。
更年期障害によるむくみの場合は、
心配のないむくみですが、
その他の症状の心配がある場合は、
早めの医療機関の受診をお勧めします。
むくみに効く作用のある市販薬
漢方薬にはむくみに効く作用のある薬があります。
五苓散(ごれいさん)
二日酔いや、口渇・下痢を伴う
全身のむくみに効果のある漢方薬です。
利尿作用を高めます。
コッコアポL
漢方薬、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)です。
下半身がむくみ、汗をかきやすい、
色白で水太り気味の方に。
食欲がなくても太ってくる方に。
牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)
膝に水が溜まるむくみに。
腰痛、下肢痛でむくみやすい方、
夜中にトイレに起きる方、中高年の方に。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
冷えを伴うむくみに。
夕方になると足がむくむ方、
冷えやすい女性の方に。
手足、顔のむくみに。
今からできる、むくみの予防法
生活習慣を改善することで
むくみを予防することができます。
血行を良くする
長時間同じ姿勢で立っていたり、
座っていたりすると血行が悪くなって、
むくみます。
なので、時々姿勢を変えたり、
ストレッチなどで筋肉をほぐして
血行を良くしましょう。
家ではお風呂にゆっくり浸かって、
足のマッサージをして血行を良くしましょう。
弾性ストッキングの使用も効果的です。
ストッキングと言われると男性はちょっと
躊躇してしまうかもしれませんが、
一般医療機器として、
男性用、女性用、男女兼用のものもありますね。
適度な水分
摂りすぎても摂らなすぎてもむくみますが、
水分の補給はむくみ以外でも重要です。
一気に飲むのではなく、
細目に水分補給しましょう。
寝る前に水分を摂りすぎると翌朝顔や足などが
むくむ原因にもなりますので、
就寝前の水分の補給は控えめにしましょう。
食事のバランスを考える
タンパク質は血液中の水分を
血管の中に留めておく働きがあります。
=タンパク質の不足がむくみの原因にもなります。
利尿作用のある
カリウム、カルシウム、マグネシウムが不足すると
(水分が溜まるので)
むくみが出やすくなる、と言われています。
タンパク質、ビタミンB1を多く含む食品
(豚肉・あずき・豆腐など)や、
カリウムが豊富なきゅうり、
タンパク質の代謝に役立つビタミンB6やカリウムも
多く含むバナナなどがオススメです。
あずきにはタンパク質、ビタミンB1の他に
カリウムも含まれ、
豆腐(大豆)もまた、タンパク質、
ビタミンB1の他にマグネシウムも含まれる、
優秀な健康食品です。
塩分を控える
塩分にはカリウムも含まれていますが、
摂り過ぎはむしろむくみの大敵です。
減塩醤油を使ったり、
味付けを酢や香辛料に変えるなどの工夫をして、
塩分の摂りすぎを予防しましょう。
カリウムが良いという話
冒頭のお客さんからあった、
カリウムが良い
という話の理由に戻ります。
上記にある、バランスの良い食事を考えた時、
カリウムは必要不可欠な栄養のひとつです。
カリウムはナトリウムやカルシウムと共に、
神経や筋肉の機能を正常に保ちます。
また、ナトリウムと連携して体内の
水分バランスを正常に保ちます。
むくみの原因になる
血行と密接な関係にある筋肉の収縮機能や、
むくみそのものに関係する
水分のバランスにも関係していて、
利尿作用もあるので、
カリウムの不足は
むくみの原因のひとつになりえます。
なので、
カリウム不足でむくみの症状が出ている人は
カリウムを摂取することで
その症状を改善できる、ということになります。
また、カリウムは高血圧の予防・改善にも
関係してくる成分です。
良く汗をかく人、加工食品を多く食べる人、
腎臓の機能が低下している人は
意識して摂るようにしましょう。
アボガド、バナナ、ホウレンソウ、さつまいも、
タイ、サワラ、豆乳、納豆、小豆などに
多く含まれます。
今回紹介した商品一覧
お薬は用法用量に気を付けて
正しくご利用ください。
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