今回は前回の記事で載せきれなかった目薬の解説です。
お客さんに
「角膜保護成分の入った目薬はないか」
と聞かれました。
プールで泳いだ後に目が痛くなるということで、
プール後に使う目薬が欲しい、とのことでした。
角膜保護成分って何?
ドラッグストアで
目薬コーナーを見てみてください。
パッケージに
「角膜修復・保護成分最大濃度配合」と書かれた
黄色の目立つ商品があると思います。
↑これです。
有効成分を見ると、
- 角膜などの組織代謝を促進し修復を促す
フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム
(活性型ビタミンB2)
0.05% - 角膜を保護するとともに、
涙の蒸発防止作用により目にうるおいを与える
コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
0.5% - 目の組織代謝を活発にする
タウリン
0.5% - ビタミンB6
(ピリドキシン塩酸塩)
0.1% - 目の組織呼吸を高める
L-アスパラギン酸カリウム
0.5%
とあります。
その他、疲れ目に効く成分、目の炎症、
かゆみ、充血に効く成分が配合されています。
ということで、この目薬で
角膜を保護し、修復する成分は
ビタミンB2と、コンドロイチンです。
涙が角膜を保護する
コンドロイチンやヒアルロン酸などは
目の渇き(ドライアイ)を改善する成分です。
ビタミン類は新陳代謝を促すことで
疲労の回復や組織の修復に関与する成分です。
潤いを与えることで角膜を保護し、
代謝を促す成分で修復し、
「目の表面がヒリヒリ、チクチクする」
「乾燥で目がパサパサする」
などの症状を改善します。
プールで目が赤くなる原因
以前、某テレビ番組でもやっていましたが、
プールで目が赤くなるのは
プールの塩素が原因、ではないそうです。
現在のプールの通常の塩素濃度程度では人体には
ほとんど影響はなく、
プールの塩素濃度は水道と同程度です。
では何が原因か?というと、
尿や汗に含まれる成分が
プールの塩素と反応することで
発生する刺激性の成分が原因だ、
ということです。
プールって人たくさんいますからね。
水道水での洗眼もNG
僕らの子どもの頃は、プールから上がった後、
帰る前などは、
備え付けの洗眼器で目を洗うのが普通でしたが、
現在の多くの学校、スイミングスクールでは
そういう指導はしていないそうです。
目を長時間水道水で洗うと
目の粘膜成分が洗い流されて、
角膜の防御機能が低下し、
かえって細菌やウイルスに感染しやすくなる
ので、
最近のそういった場所では
目を洗う積極的な指導はしていません。
水道水に含まれる塩素によって
目の表面が傷ついてしまうこともあります。
また、昔はプールの水の塩素濃度の管理が
そこまで徹底していなかったり、
ゴーグルの着用が禁止されているような
学校もあったので、
洗眼の必要がありましたが
現在では
薬剤師が塩素濃度を管理し、
ウイルスを活性化させないことで、
感染症が起こらないように徹底されている、
ということです。
涙に近い性質の目薬でケア
プールで泳ぐときは、
ゴーグルなどで目の保護をしつつ、
プールから出た後に目にかゆみや痛みなど、
気になる症状が出た場合には
防腐剤の入っていない、
涙に近い性質の目薬を使うことをオススメします。
涙で細菌やウイルスから目を守り、
洗い流し、角膜を保護して
楽しいプールの時間が終わった後の
目の健康を守りましょう。
防腐剤フリーで涙液に近い性質を持った人工涙液です。

用法用量を守って
正しくご利用ください。
コメント