こんにちは、TBです。
突然ですが、
ステロイドってご存知ですか?
聞いたことは、ある!
- ステロイド
- アンテドラッグステロイド
- ノンステロイド
- 抗生物質
聞いたことはあるけど、
それぞれ何がどう違うのか、
どういう時に使うのか、
とてもわかりづらいですよね。
ステロイドと非ステロイド
テラマイシン軟膏
ドルマイシン軟膏
と
ドルマイコーチ軟膏
テラ・コートリル軟膏
テトラ・コーチゾン軟膏
の違いはなんですか?
お店でよく聞かれます。
これとこれは
どう違うの?
上記は全部
僕が働いているお店でも扱っている、
一般用医薬品の商品です。
一応、最初の答えとしては
前者が非ステロイド製剤、
後者がステロイド製剤です。
一般用医薬品では主に外用、
とりわけ皮膚薬に
配合されていることが多いステロイド。
皮膚薬は、幅が広いので
今後複数回書こうと思ってますが、
まずはステロイドを中心に
書いていこうと思います。
ステロイドって何?
ステロイドは副腎から作られる
副腎皮質ホルモンの1つで、
炎症を抑えたり、
免疫を抑制したり、
様々な治療に使われている薬です。
作用の弱いものから強いものまで、
様々な種類があり、
症状に合わせて使い分けられます。
よく、あまり使わない方が良いとか、
長期的に使わない方が良いとか
言われていますが、それが何故かと言えば、
まず代表的な
長期連用による副作用(局所的な副作用)として、
免疫を抑制する薬なので
免疫力が低下して
感染症にかかりやすくなる危険がある、
ということ。
その他、
- 皮膚委縮
- 毛細血管拡張
- ステロイド紫斑
- ニキビ
- 多毛
など様々な副作用があります。
とはいえ、
強力で圧倒的な効果があるのは
間違いないので、
用量、用法を間違えなければ
悩ましい症状に対して
効果を発揮する薬でもあります。
ステロイドの強さについて
医療用医薬品も合わせて、
医薬品のステロイドの作用の強さのレベルは
強い方から
- ストロンゲスト
- ベリーストロング
- ストロング
- マイルド
- ウィーク
5段階あります。
そして、
ドラッグストアで売られている
一般用医薬品には
ストロンゲスト、ベリーストロングの
上位2レベルのステロイドはありません。
一般用医薬品のステロイド製剤
効き目の強さ的には 大体 こんな感じです。
レベル3・ストロング
商品名 | 有効成分 |
---|---|
フルコートf | フルオシオノロンアセニド +抗生物質フラジオマイシン |
ベトネベートN軟膏AS | ベタメタゾン +抗生物質フラジオマイシン |
ベトネベートクリームS | ベタメタゾン |
オイチミンD | デキサメタゾン +抗生物質トリクロロカルバニライド |
エマゼン | デキサメタゾン |
オイラックスDX | デキサメタゾン |
カブナース | デキサメタゾン |
シオノギD | デキサメタゾン |
ラリーエイ | デキサメタゾン |
ピロットD | デキサメタゾン |
新サニアゾル | デキサメタゾン |
レベル4・マイルド
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
=PVA
=アンテドラッグステロイド
商品名 | 有効成分 |
---|---|
リビメックスコーワ系 | (PVA) |
ムヒHD系 | (PVA) |
メディクイック系 | (PVA) |
アセムヒEX | (PVA) |
プレバリンα | (PVA) |
エンクロン系 | (PVA) |
オイラックスPZリペア軟膏 | (PVA) |
テレスHi軟膏 | (PVA) |
コートfAT軟膏 | (PVA) |
アレルギールSK | (PVA) |
ピロットリペア軟膏 | (PVA) |
キンカンピラック指 | (PVA) |
セロトピクリーム | (PVA) |
プレゾα | (PVA) |
ピュアクイックS | (PVA) |
ドルマイコーチ | ヒドロコルチゾン +抗生物質バトラシン・フラジオマイシン |
テラ・コートリル | ヒドロコルチゾン +抗生物質オキシテトラサイクリン |
テトラ・コーチゾン | ヒドロコルチゾン +抗生物質オキシテトラサイクリン |
ロコダイン | ヒドロコルチゾン |
オイラックスA | ヒドロコルチゾン |
セロナ | ヒドロコルチゾン |
レベル5・ウィーク
商品名 | 有効成分 |
---|---|
コートfMD軟膏 | プレドニゾロン |
クロマイP | プレドニゾロン +抗生物質フラジオマイシン +クロラムフェニコール |
ざっとピックアップしただけで
これだけあります。
↑まだありそうですが、
僕が働いている店舗で
扱っている数の倍はありますね。
アンテドラッグステロイドって何?
ステロイドの中には
アンテドラッグステロイド
というものもあります。
アンテドラッグとは
局所で優れた薬効を果たした後、
全身系で代謝され、
速やかに薬効を消失する
ように設計された薬剤、
とされています。
ステロイドの全身性副作用を
軽減する目的で開発されました。
外用薬での全身性の副作用は
アンテドラッグではなくてもありません
使用上の注意
使用する商品にもよりますが、
一般的に
使用回数は1日に2~3回、
使用範囲は大体大人の手のひら2枚分くらい。
通常使用効果は数日程度で現れますが、
1週間くらい使用しても
症状の改善が見られない場合は
皮膚科の受診をお勧めします。
使用期間は、
これも商品によりますが
大体最長で2週間くらいとお考え下さい。
注意書きにもありますが、
長期連用はやめましょう。
抗生物質って何?
お題にあった前者の医薬品は
ステロイドは配合されていませんが、
抗生物質を配合した医薬品です。
じゃあ抗生物質が何なのか、というと、
細菌などの微生物の成長を阻止する物質
のことです。
「生」に「抗う」物質
ってことかな?
ヒトの細胞にとって毒とならない抗生物質が
医薬品に使われています。
青カビが作るペニシリンが
名前的にメジャーですね。
不適切な服用に注意
今回のお題とは直接関係ありませんが、
病院で診断されお医者さんに、
または抗生物質製剤を処方される際に
薬局の薬剤師さんに、
「必ず飲み切ってくださいね」
こう言われたことはありませんか?
↑というか、ほぼ必ず言われると思いますが
抗生物質もまた、用法を誤ると
大変なことになってしまう薬です。
抗生物質は細菌の成長、繁殖を
抑制する薬剤ですが、多用や半端な服用によって
その物質に耐性をもった
耐性菌が生まれてしまう危険があります。
菌です。
ステロイドの場合は自分の副作用ですが、
抗生物質の場合、菌なので
身体の外に出て他人にも移ります。
厳密にいうと、ステロイドの長期連用は
免疫力を低下させるので、
感染症を引き起こす原因にもなり、
ということはそれも結局人に移るのですが
処方された抗生剤を全部飲まなかったり、
余った抗生剤を後日違う症状の時に
自己判断で(余った分なので当然)
半端に服用することによって
症状が回復しないどころか、
いざ病気になったときに、自分だけではなく、
周りも効き目が薄くなる、
という事態にもなりかねません。
用法、用量を守って、正しく服用してください。
店頭でのステロイド製剤の見分け方
店頭の薬剤師か登録販売者に
相談した方が早いですが💧
単純な見分け方として、
店頭の軟膏コーナーなどに普通に陳列されている
塗るタイプの商品で、
指定第2類医薬品に分類されている商品は
ステロイドです。
指定第2類医薬品は、
第2類の「2」の部分が◯か□で囲われています。
最初のお題にあった
前者は第2類医薬品で、
後者は指定第2類医薬品です。
※普通に陳列されていない商品は
要指導医薬品、第1類医薬品として、
薬剤師が在籍しているドラッグストアにしか置いていない、
そして薬剤師がカウンター内で管理しています。
要相談。
軟膏とクリームの違い
ちょっと脱線します。
ワセリンについての記事で、
ワセリンは要は油である、
と書きました。
水虫についての記事で、
軟膏とクリームを一緒の項目で説明しました。
では軟膏とクリームの違いは何なのか?というと。
油と水分の違いです。
(軟膏のベースとなる)ワセリンについての説明で、
油である故に
皮膚の表面に留まり続けて膜のように覆う、
というような趣旨のことを書きましたが、
つまり、
患部に長く留まり、長く接する、
ということです。
一方でクリームの方は水分ベースなので、
肌に吸収されやすい。
ということは、
吸収されて早く浸透する、
ということですね。
今日のお題
前者が抗生物質配合製剤で、
後者がステロイド配合製剤です。
どちらも素晴らしい薬効のある薬ですが、
扱いに注意が必要な商品です。
用法、用量を守って正しく使用しましょう。
お題の商品紹介
お薬は
用法、用量を守って
正しくご利用ください。
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