今回は痛みに効く薬です。
ドラッグストアに行くと、痛み止めの薬、
様々な商品がありますね。
そこで
「歯が痛いんだけど」、
「生理痛で」、
様々な痛みに効く薬について訊かれます。
また、
頭痛と言っても色々な種類の頭痛があります。
頭痛について
一般的にザックリ大別して
筋伸縮性のものと血管性のものがあります。
筋伸縮性の頭痛の原因と特徴
- 緊張、ストレス、パソコン、スマホ疲れ
など。 - 肩から首、頭部に筋肉の【こり】がある。
その【こり】が締め付けるような
頭痛になる。
肩から首、頭部にかけて
突っ張ってるような感じがして、
頭痛がする場合はコレ。 - 眼精疲労、乱視遠視などの眼の障害、
虫歯、歯の噛み合わせ、
蓄のう症などの症状。 - 全体的に痛い。
血管性の頭痛の原因と特徴
- ズキンズキンと、脈打つような感じで痛い。
- 部分的に痛い。
頭の前の部分とか、後ろの部分とか、
右側だけとか、左側だけとか。
片側だけ偏って痛むので、
片頭痛とも言われている。
かぜ、二日酔い、酸素不足、血圧上昇
などが主な原因。
要注意な頭痛
頭が割れるように痛い時。
解熱鎮痛剤を使用しても痛みが取れない時。
すぐにお医者さんに診てもらってください。
クモ膜下出血や脳腫瘍などが原因であることも
考えられるので、
早期受診を推奨します。
解熱鎮痛剤について
解熱鎮痛剤と言うと、たまに
頭が痛いけど
熱はないです
という人がいますが、服用しても
平熱以下まで下がることはありません。
痛覚の興奮状態を鎮める時に、
近くにある体温調節をする機能にも
作用して熱も下げるので
解熱鎮痛剤と呼ばれています。
全体に痛みを感じる筋伸縮性の痛み
アセトアミノフェンがオススメ。
ストレスや緊張を伴う場合は
アスコルビン酸(ビタミンC)やアミノ酢酸を配合したものがオススメです。↑昔はあったようですが、今はないみたいですね…
首筋から肩にかけて固くなる、
肩がこっている場合は
アセチルサリチル酸が効果的。
筋肉の緊張も和らげます。
血管性の痛み
激しい痛みにはイソプロピルアンチピリン
一般用医薬品唯一のピリン系ですが、
比較的新しい研究から生まれた成分なので、
ピリンショック、ピリン疹などの
アレルギー症状が出る可能性は低いです。
上で書いたサリチル酸も
所謂アスピリンの名前で知られていますが、
アスピリンもピリン系ではないです
↑少し昔、
ピリン系の薬剤の副作用が問題になったことがあって、
現在は【副作用の可能性が高い】ピリン系は
市販されていません。
それでも、
アレルギー体質の人はご注意ください。
片頭痛
片頭痛は女性に多く見られる症状で、
男性の3倍くらい多いそうです。
3、40代がピークで、
50歳を超えると起きなくなることが多いです。
女性ホルモンが原因?
と言われています。
イブプロフェンが配合されたお薬が効果的で、
中でも
エテンザミドを一緒に配合している薬が
より効果的。
また、カフェインが脳血管を収縮させ、
覚醒作用で頭もスッキリさせます。
怪我や打ち身などの痛みにも内服薬では
アセトアミノフェンとエテンザミドが
配合されたお薬がオススメです。
こういう時にはこれ!
おすすめ一覧
症状別におすすめの鎮痛薬をまとめました。
筋伸縮の全体的な頭痛
アセトアミノフェン
【第2類医薬品】
タイレノールA 20錠
[ヘルスケア&ケア用品]
武田コンシューマーヘルスケア
2012-11-01
お医者さんから良く
頓服として処方される
カロナール等と同じ有効成分。
アセトアミノフェンは
他の成分と比べても
比較的副作用の少ない成分です。
ストレス・緊張による頭痛
一緒に
アスコルビン酸(ビタミンC)、アミノ酸
などを取るのも良いでしょう。
肩や首こり等が原因の頭痛
アセチルサリチル酸
↑定番商品ですね。
血管性の痛み
イソプロピルアンチピリン
↑体質的にアレルギーのある方はご注意ください。
片頭痛
イブプロフェン
↑イブプロフェンが最大量処方されていて、
錠剤や粉より効きが早い
液剤のカプセルなのでオススメ
生理痛
イブプロフェン+エテンザミド
※イブプロフェンは対象年齢15歳以上なので、
15歳未満の人にはコチラ↓
近年では生理痛には
より特化した製品も出ています。
怪我・打ち身
アセトアミノフェン+エテンザミド
- アセトアミノフェン
- エテンザミド
- カフェイン
が配合された、所謂ACE処方
その他
「何かよくわからないけど痛い」
痛みを鎮めたい時は、
イブプロフェン最大量処方
+効き始めの早い液剤の、
リングルアイビーα200をオススメしています。
鎮痛薬連用の注意
痛みがずっとひかずに続いていて、
そのために鎮痛薬をずっと飲み続けている。
そういうことってありませんか?
頭痛がひんぱんに起きる人は、
そのつど鎮痛薬を飲み続けていると、
逆に痛みが消えない、慢性化する、
という場合もあるので注意が必要です。
薬物乱用頭痛
市販薬の鎮痛薬を1カ月に15日以上、
成分にカフェインが含まれている場合は
10日以上服用している場合、
それは薬によって起きている
「薬物乱用頭痛」
の疑いがあります。
薬の量が増えると、
効き目が持続する時間が短くなり、
薬によって逆に
頭痛が誘発されることがあります。
これが薬物乱用頭痛です。
鎮痛薬として、日本では最もメジャーな
ロキソニン
(ロキソプロフェン配合薬)
副作用が少なく、比較的安全とされている
アセトアミノフェン
その複合で、メジャーな処方の
ACE処方製剤
アセトアミノフェン+エテンザミド+カフェイン
その他の複合鎮痛薬
ステロイドよりは比較的安全と思われている、
非ステロイド性消炎鎮痛剤
などの薬を月に15日以上、
カフェインが含まれているお薬だと
10日以上服用されている場合は、
要注意です。
特に無水カフェインは依存性があるので、
月に10日以上鎮痛剤を飲んでいて改善しない方、
おかしいな、と思ったら服用をやめて、
医療機関を受診することをお勧めします。
鎮痛薬を飲むタイミング
痛くなったら飲む、
じゃないの?
鎮痛薬には痛みの原因(にもなっている)物質
=プロスタグランジンの産生を抑制する作用
もあるので、痛みが本格的になる前
=プロスタグランジンが大量に産生される前
に飲む方が効果的です。
原因物質が少ない方が痛くならない!
我慢せずに飲む!
その痛み、
どんな痛みですか?
先日、お客さんとお話をしていて、
そのお客さんは
片頭痛なので、薬が欲しい
お医者さんから
薬をもらったけど
あまり効かない
というのですが、
どういう痛みかお話を詳しく聞いてみると、
頭の一部とかではなく全体的な痛みで、
頭の筋肉が締め付けられるように痛い。
と言われるのです。
まず、全体的な痛みだと片頭痛ではないですし、
筋肉が締め付けられるような痛みであれば
血管性の痛みではないです。
一部ではなく全体的痛い、
と言われるので
アセトアミノフェン製剤を提案し、
筋肉の凝りを解す薬も一緒にオススメしました。
お薬をオススメする際には思い込みをなくし、
お客さんの話をよく聞かなければならない、
と改めて思いました。
お薬は用法、用量に
注意して、使用法を
よくお読みになった上で
正しくご利用ください。
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